2005年12月06日

スーペルリーデルの呪い〜


 リギージャ準々決勝第二戦、二日目の試合です。

 二戦とも、予想もしない展開に。いや、両極端の意味で。特にティグレスとアメリカの試合は、最初から最後まできっちり計算し尽くして演出したような緊迫の連続の試合でした。ゴールのタイミングといい、競り具合といい。

● アメリカ対ティグレス(17時)1−4
▼ メキシコサッカー界にはスーペルリーデルの呪いというのがあるそうです。リーグを首位通過すると、その後のトーナメント戦で先に進めず脱落するという。でも今季はねえ、トップのアメリカ絶好調です。トーナメント第一戦もティグレスのホームで楽々3−1.まあ最後に1点取られちゃったのはお茶目ってことで? 二位のモンテレイが第一戦で七位のテコス相手に3−0、第二戦で4−0の圧勝を勝ち取ったあとだけに、今季ばかりはスーペルリーデルの呪いも効力を失ったように……ええ、見えましたとも!
▼ おまけに今度はアステカスタジアムだよ。不敗神話のアステカ。おまけにティグレスは要のFWがひとりレッドで出場停止中、ひとりがチーム不和を理由に脱落、さらには主要MF戦力が三人も負傷中。試合が始まったとき、アステカスタジアムに座るティグレスサポーターは、7人だった(笑。
▼ さて、立ち上がり、ティグレスは比較的好調だった。でも、第一戦も前半は割と互角に健闘したんだよね。ところがアメリカのゴールを割れないでいるうちに、クレーベルのゴールを決められてしまい、後半はいつもの癖でガタガタに。だから今日も、好調に見えてもそんなに期待はしなかった。
▼ 期待しないで、適当にぼうっと見てたら、左のカルロス・モラーレスが上げたセンタリング、これがいつも遠すぎてゴールポストを過ぎちゃうんだが、17分、タイミングよく駆け込んだペラルタがいきなり決めてしまったよ、おい。あははは、そんなこともあるんだねえ。うんうん、テコスのような情けない負け方はしないでおくれ、とおへその辺りを掻きながら横目で見ていた。
▼ そのわずか3分後。今度はガイタンが奪ったボールをデ・ニグリスに渡す。デ・ニグリスはいつものようにややもたつき、けどこのときだけは奪われる前にそれを左のモラーレスに引き渡す。そしてまたモラーレスのセンタリングというよりはシュートの出来損ないがポスト際に落ちたのを、駆け込んだガイタンが足先で押し込む。2点目〜! 総合で追いついちゃったよ!
▼ テレビサでは電話アンケートを試合中にやるんだが、ティグレスが勝てるか? という質問に、イエスと答える人は31%、残りは全員ノーだった。それが、ここからどんどんイエス派が盛り返していく。そうだよなあ、引き分けでは順位が上のアメリカが準決勝に進むんだが、あとワンゴールだもの。でもアメリカもこのまま黙ってはいまい。
▼ と思ったとおり、25分、ピオホ・ロペスがゴール! と思ったらオフサイド判定。うーむ、ビデオで見るかぎりは非常に微妙だけど、でも審判は神さまです。まして今日の主審はマルコ・アントニオ、天上天下唯一絶対神ですもの。文句も言えませんて。
▼ クレーベルも頑張ってシュートしている。しかし今日のGKエルナンデスはほとんど神懸かり。そしてまたもや34分、ガイタンが二本目のゴールを決める〜〜〜! うおおおお〜〜! 叫んでしまいましたよ。裏の家からは試合開始少し前から、賑やかなパーティの人声とおいしそうなグリルの匂いが届いていましたが、そちらは不思議とシ〜ンとしたまま。変ですねえ? パーティたけなわじゃないんですか?(いぢわる
▼ でもでも、ちょっと追い抜くのが早すぎるよ、まだまだ時間がある、アメリカの反撃を許してしまう時間が。もうこうなっては姿勢を正し、両の指をしっかりと組んでテレビの画面を見つめるしかありませぬ。一本でもゴール決められたら、逆転なんだもんな〜。
▼ しかしティグレスの神さまは今日だけはガイタンひとりじゃなく、エルナンデスもでした。ピオホのシュートもヴィリャのロングもパルドのボールも外れるか、エルナンデスに弾かれるか。そのまま前半は終了〜。
▼ 後半始まるとさすがに、ティグレス応援団が少し増えてました。遅刻して到着したとか、あちこちに散らばって座っていたのが集まってきたとか? 真相は不明。でもよかったね〜。いや、勝っても喜んでくれるのが7人ではあまりに寂しすぎる……(笑。
▼ さぁて、しかし物事はそう思うとおりには運ばないもの。後半すぐからブンブンとシュートを飛ばしていたクレーベルが、交代で入ったパディリャ(DFと交代したんだから、アメリカの攻撃意欲がわかろうというもの)とピオホとの連携で、ついにゴールを決めてしまう、後半わずかに8分のこと。ああ、そうだよね、夢もこれまでか。ここで普段のティグレスなら自信喪失、グラグラのガタガタになって乱れに乱れ、いいようにやられてしまうパターンも充分考えられた。特にアメリカは攻撃陣がいつもながら充実している。ベンチにもまだまだ使えるのがいる。一方のティグレスの攻撃陣はしょぼすぎ。モラーレスは今日は三本ともにセンタリングを上げているけど、受ける側が慣れてきたというか、ポスト抜けちゃうくらいになるってのを見越して走りこんでの成功。そして本来FWのはずのデ・ニグリスはねえ〜(溜息。
▼ それでもティグレスは頑張っていた。アメリカも今日は何だかいまいちながらも、優位に立った余裕でどんどん攻めてくる。時間はどんどん過ぎる。おまけにバトクレッティ監督、何を考えているのやら、モラーレスを下げて、代わりに本来DFのブリセーニョを入れたりする。もう今季で馘って決まってるから、さっさと終わらせてヴァカンスに行ってしまいたい、とか思ってるんだろうか〜?
▼ ああもう、デ・ニグリス、あんたね、セットプレイのときは邪魔しないで、何もしなくていいから相手DF引きつけてボールには近付かないでおきなさいってば! と言いたくなるようなもどかしさの中で、残り時間わずかになった44分。コーナーからのボールを受けようとして弾かれた、と見えて、大勢がごちゃごちゃと集まるゴール前にぽろりと落ちたボールを、フリオ・セサルが、け、け、蹴りこんだ〜〜〜〜〜!!!! 逆転だぁ〜〜〜〜!!!! 犬と猫が何事!?と駆け寄ってくる。叫んだダンナは犬の首っ玉に抱きつき、私は猫を胴上げ。
▼ フリオ・セサル・サントス、DFだけど背の高さを利用してセットプレイからヘディングで決めることが多い。第一戦のティグレス唯一のゴールもそのパターン。でも、今まで何度ゴールしても、この人が笑うのを見たことはなかった。いつも禁欲的な顔で黙々と自分のポジションへ走って戻るだけ。でもでも、この日このときだけは、笑ってました、チームメイトと抱き合ってもみくちゃにされて。もう、みんな積み重なって嬉しさ爆発。爆発しすぎて、ブリセーニョが山積みの下敷きになってどこだか怪我して運び出され、交代になったほど。あらら。
▼ でもまだ数分残っている。ここで油断してまたアメリカにゴールされてはすべて元の木阿弥。47分には手に汗握るクレーベルのシュートもあった。でもエルナンデスがしっかりと受け止める。
▼ そして終了の笛。呪いだのっろいだ〜〜♪ いやもう誰が予想したでしょうか、こんなすごい展開。「いいプレイ」をしたとはちょっとあんまり胸張って言えないけど(両チームとも)、間違いなく「もっとも緊迫した接戦のひとつ」でした。これでもしもティグレスが間違って優勝とかしちゃっても、バトクレッティ監督は馘と決まってるんでしょうか? でも今日頑張ったのは監督かなあ? 選手たちのほうかもしれないな。
▼ これで準決勝でティグレスはモンテレイと対戦することに。モンテレイダービー。うーむ、モンテレイはまあテコスは相手としてちょろすぎたとはいえ、一応充実してるチームだしな〜。一方のティグレスは今季はものすごくムラがあって、圧倒的な試合をするかと思えば、その直後にへろへろ試合という、波の激しい状態。どうなるかは、まるで闇の中♪ いやあ、ワクワクしちゃいます!

▼ 試合とは関係ない話ですが、ダンナの同僚にアメリカニスタがいます。メキシコ中どこにでもいるもんな。その人は、アメリカが不敗記録を伸ばしていたころ、また勝った〜!と言っては毎週会社のみんなにピザを振る舞っていたとか。最寄のチアパスまで観戦に出かけて、久々の負け試合を見てしまったのもこの人でした。ご愁傷さま。さて、リーグも終わり近く、またクアウテモックを代表に呼ぶべきかどうかがマスコミでも騒がれていたとき、ダンナがうっかり相手がアメリカニスタだということを忘れて口走ったそうです、クアウは代表に来なくてもいいよ、と。相手は引きつった笑いを浮かべていたとか。で、リギージャ第一戦アメリカ対ティグレスが行われたとき、ダンナは出張で別の町におりました。このアメリカニスタさん、そこまで電話をかけてきたそうです。「勝ったもんね〜」と(笑。そりゃよっぽど根に持たれてるよ〜、ということで、あげくに今日のこの結果。明日はあんたがピザを振る舞いなさいよね、一個じゃ足りないよきっと、二個か三個ね。と指示(?)出しておいたんですが、今さっき、月曜の朝です、いったん出かけようとしたダンナがくるっと向きを変えて「上着を持っていく」と。ティグレスの青いジャージのことです。も〜〜、やめときなさいよ〜、喧嘩相手じゃないでしょ、同僚でしょ、これ以上刺激してどうすんのよ! まったく、子供じゃあるまいし、と私はブツブツ。ダンナはさすがに思い直して上着無しで出かけましたが、ドアのところでぼそっと「でもあいつはあんなところまで電話かけてきたんだ〜」。はぁ〜、あんたたちホントにちゃんと仕事してますか!? 

● クルスアスル対トルーカ(20時)0−0
▼ こちらもまた、ティグレスとは反対の意味で予想を裏切る展開に。第一戦は1−0とトルーカがリード。でもクルスアスルは引き分けに持ち込めばいいので、あとワンゴール、で何とかなるはずだった。
▼ しかしティグレスのエルナンデスに引き続き、トルーカのGKクリスタンテもけっこうすごいです。アスルの連続の攻撃をビシバシ防ぐ。トルーカもまた、余裕がないのをわかっていて、慎重に守りながらも攻めに行っていた。ところが、前半30分、トルーカのMFロサーダが中盤でカニサを思い切り蹴飛ばしてしまう。審判、だいぶ考えた様子だけど、やっぱりこれはレッドですね。カニサはだいぶ長いこともだえていたようで、大丈夫かと心配したけど、そのあと何ともなくプレイしていた。
▼ ひとり少なくなってしまったトルーカ、もうひたすら守備態勢。後半に入るとトルーカの攻撃なんてゼロに近くて、ゴール前に全員集合〜、がむしゃらにボールを弾き返しているばかり。クルスアスルのほうはチェリート、キキン(ちょっとまたいっとき影が薄かったけど)、ヌニェス、コロナらの攻撃を重ねる。でも、入らないねえ。クリスタンテとトルーカの守備陣(=全員)が守っているせいもあるかもだけど、でもどうして? アスルの選手たち、技量は充分のはずなのに、決め手となるプレイが引き出せない。トルーカのほうは慎重に疲れた選手を交代し、少し元気が出たところで反撃するも、ゴールには至らず。
▼ そうして長〜〜い膠着状態、一本、一本でいいんだよ、どうして決まらないのッ! とイライラハラハラしながら見ていたら、やっとやっとやっとキキンのゴール、と思ったのに、オフサイドぉ〜? でも、そうですね。線審の判定は正しかったようで。キキンも信じらんな〜い、という顔で呆然。
▼ でもほら〜、さっきのティグレスの例もあるしさ、最後の一分、最後の一秒まで諦めるなッ! と拳を握り締めて見てましたが、二度目の奇蹟は起こりませんでした〜。うーん、トルーカ強引な戦略勝ち、かしらん? 
▼ しっかり守った、という点ではトルーカも私の好みの試合かと思ったんですが、やっぱりそうじゃないんだよね〜。がむしゃらに、団子になって、どこに当たってもいいからとにかく弾き返せ!ってなディフェンスは美しくないです。やはりそこには見ていて気持ちよいテクニックがないと〜。な〜んかパッとしない勝ちっぷりでしたが、とにかくトルーカが際どい下克上で準決勝へ。パチューカと対戦です。どうにも妙な顔ぶれになってきました。






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