5時半ごろ、たぶんスタジアムの駐車場はいっぱいだろうから、と
少し離れたところに車を置いててくてくと歩きました。
けっこう人は来てるけど、切符売り場は無人。
まさかもう売り切れでは!?とドキドキしながら行くと、
「300ペソです」と売り場のお兄ちゃん。
おいっ! カルメンのスタジアムの相場は30ペソだよ?
いくらチバスだからって、なんでいきなり10倍よ?
思わず「それ、一枚の値段?」と訊いたら、失笑されました。
私もダンナも、まあ30よりは高いだろうと思っていたものの、
そこまでとは思ってなかったので、手持ちが足りない。
じゃあ、銀行行ってきます、と出直すことに。
でもチケットはまだ充分残ってる? と訊いたら、
(はるばる歩いて行って戻ってきたら売り切れ、なんてイヤだもんね)
ま〜だまだあるからぜんぜん大丈夫、と言われる。
で、てくてくと歩いて銀行へ行き、たっぷりお金を引き出してまた歩いて戻り、
大枚600ペソを払って、ようやく入場。
お金を取りにいく道中で、ダンナが「たけぇよ……」と文句。
じゃあグアダラハラに見に行く? 連れてってくれるっていつか言ったよね?
と言ったら黙ってましたけどね。
しかも連れてってくれる約束したのはサルシードがまだいたころだったけど。
野球場に入るのはもちろん初めてなんですが(カルメンだけじゃなくどこのも)、
まあカルメンのは簡素で小さいほうだろうとは思います。

ネット裏から一塁側の観客席を見たところ(用語、これでいいのか?)。

その観客席、下から三列目くらいに座って、三塁側を見たところ。

ピッチを眺める
座るとこは、デルフィネスのいつものスタジアムと同じで、
単なるコンクリートの段々になっているだけ。
そこに座って、待ちます。
そのころになって徐々に思い出す、数々の忘れ物。
1. 座布団(説明要らず)
2. 上着(このごろ日が暮れるとちょっと寒いです)
3. 双眼鏡(ピッチがけっこう遠い、テレビより遠い……)
4. ダンナの10倍ズームつきカメラ(なんで忘れるんだよ……)
5. トイレの紙(車にはあったのに……。スタジアムのトイレには紙がない)
6. 傘、もしくは何らかの防水用具
私たちが入って座ったのがすでに6時前だったわけですが、
ピッチ上ではミニチュアチバスとミニチュアデルフィネスの子供たちが、
それぞれに分かれて練習?してます。
自分の頭よりでかいボール(子供サイズってのはないらしい)を
懸命にオーバーヘッドキックしようとして転がる子供とか、かわいい。
特にいつも見慣れているチバスのユニの子供たちのミニチュアぶりは、
子供がかわいいと思うことなどあまりない私でも、それだけでかわいい。
やっぱり本格的サッカーバカかもなあ、私、などと感慨にふける。
しかしそんな子供たちを眺めているにも我慢の限界はあります。
もしかしてチバス対デルフィネスって、この子たちの対戦だったりしてね〜、
などと冗談で言ってたんですが、そのうち周りの人たちが、
「早く始めろ〜」とか怒鳴りだす。
で、始まっちゃったんですよ、マジでちびっ子対戦が。

いや、これ前座でしょ、もしかしたら8時からっての、
チバスサイトの誤報じゃなくて、ホントに大人は8時からなのかも、
とか言いつつ不安にもなってきます。
でもまさか、チバスのガッコの試合を見るのに300ペソ出さないよねえ?
お尻も冷えてきたのでトイレに行って紙問題にぶつかり、
まあそれはいいとして、そこにいたおばさんに、
今日は子供たちの試合だけ、じゃない、ですよねえ? と訊いたら、
うんうん、このあとちゃんとチバスの試合するわよ〜、とのこと。
おかげで安心して待てました。
子供たちは何歳くらいなのかなあ、10歳から12歳くらいかな?
35分か40分ハーフ、10分休憩でちゃんと前半後半。
前半はデルフィネスが2−1でリード、後半でチバスが2−2に追いつたっけ?
子供の試合は6時40分くらいから始まって、8時過ぎに終わりました。
さあ、いよいよ次は大人の試合か!?
と思ってたら、場内放送で、「さぁ、チバスの偉大な選手たちが!!」とか
言うんだけど、その選手たち、どこよ?
ポスターを配ってたりして、前のおじさんがもらってきたのを肩越しに覗くと、
道端のポスターと似たような感じの、
でもブラボとメディーナと
ラモンが並んでいるようなのでした。
そして、高さ10cmくらいの舞台(?)にセクシー姉ちゃんが出てきて、
歌ったり踊ったりしてます。
選手はどこ〜〜〜? 試合、まだ〜〜〜?
チケットにもちゃんと、6時からって書いてあるのに……。
親善試合だから、こんなもんか……?

ちなみに、見に来ている人の半数くらいがチバスユニを着てました。
すごい人は、旗とかまで。

99番ブラボの背番号と名前入りユニを着ている人も複数いました。
あとはなぜか代表ユニ、クルスアスルユニ、プーマスユニ、ティグレスユニまで。
とにかくサッカーユニなら何でもいいみたい。
バルセロナ着てる人もいたなあ。アルゼンチン代表ユニみたいなの着てる人とか。
そうそう、忘れ物にはそれもありましたね。私もチバスユニ持ってたのにね。
さていよいよ選手入場〜〜、とか言われて周囲総立ちになり、
ピッチを伸び上がって見てると……デルフィネスの選手たちかよっ。
ど〜こ〜まで気を持たせるんだよッ!
コロナビールの姉ちゃんたちが歌う後ろでは、ピッチの検分が始まってます。
子供たちがプレイしていたときも、なんかボコボコしてて、
やりにくそうだなあと思ってたんですよね。
ところが……その芝を。

剥がしはじめました。
え、どうするの、それ?と思って見てたら、
デルフィネスの選手たちも出てきて、ウォーミングアップ代わり?
一緒になって作業を始める。
ご苦労さまです。

どんどん剥がされ、ピッチサイドに積み上げられる芝。
それ、いくらしたんだろうか……?

野球のときの内野?ですか? に当たる部分が剥がされました。
その向こうではチバス選手たちがいつの間にか入ってきてウォーミングアップ。
しかし遠いし暗いし(と言ってもこの程度の写真が撮れるくらいには明るいけど)
なんとな〜くレイノーソかなあ、とか、ガリンドかなあ、とか思える程度。
私の3倍ズームで撮ろうとしても、ズームにすると暗くなるので、
このあたりが限界でした。
それでもパソコンで拡大すれば……と期待したけど、無理みたい。


何となく想像して楽しんで?みてください。
んで、ようやく試合が始まったのが8時40分くらいでした。
デルフィネスのスタメンは放送がありましたが、どうせ知らない(ごめんよ)。
チバスのスタメンは、GKミチェル、
DFレイノーソ(C)、ガリンド、マガヨン、エスパルサ、
中央にメヒアとパト・アラウホ、左にメディーナ、右にアレジャーノ、
トップにチチャロ・エルナンデスとブラボ。
やっぱり代表選手の名前のときは歓声もすごかったです。
これだけ、クリックでちょっと拡大します。レイノーソくらいなら判別できるんでしかしやっぱり芝のないところは極力避ける選手たち。
どうしても仕方ないときはもちろん入ってましたけどね。

デルフィネスのCKとか。
で、デルフィネスって
前にも見たことありますが、
四部リーグ(テルセーラ)のチームなので、
選手たちは19歳半以下です。
私はこの町のもうひとつのチーム、レアル・ヴィクトリアより
デルフィネスのほうがレベル高いかなと思ったんですが、ダンナは反対意見。
しかしチバスの、それも一応ベストメンバー相手に、けっこううまいよ?
地元の強み、というかチバスの選手たち、こんなピッチに慣れてないのもあるか。
まあそもそもこんな試合に100%の力は出さないんでしょうが、
それでもね、デルフィネスの選手たち、割合しっかり守って、
GKもよかったし、DFたちもチバス選手からするするとうまくボール奪ったり。
そうしているうちになんと、デルフィネスのFKがすっこ〜ん、と入っちゃった。
デルフィネス先制です。
一応ゴール裏にはいつものデルフィネス応援団(の一部?)も来てたんですが、
チバスユニで観戦している人たちも、両方応援するんですよね〜。
まあやっぱり一応地元チームであるわけだし。
しかし負けてないチバスも、すぐに同点ゴール、そして逆転ゴール。
チバスのゴールは私たちのところから遠すぎて、
誰が決めたのか、どうなったのか、あんまりわかりませんでしたが、
あとで読んだ記事によると、一点目がアーロン・ガリンド、
二点目がアルベルト・メディーナだったそうです。
ところが、デルフィネスがまたもやってくれました。
右サイド(はげてないほう)から攻め込み、しかしチバスDFふたりにはさまれて
もうダメだと思ったところで、なぜかするっとふたりの間を抜け出した。
ボール持ったまま。
え、と思ったところで、シュート。
GKミチェルもまさかと思ったのか、反応が遅れて止められず。
2−2の同点です。
ところがですね、ぱらぱらっと雨が降ってきました。
今はもう乾季に入ってるはずなんですが、天候不順で、
このところ毎晩のように雨が降るんです。
でも6時始まりだと思ってたので、洗濯物も入れてない〜〜。
ではなくて。
降りだすととたんに、半数くらいの人が立って、マウント裏の屋根下へ。
私らの後ろに座っていたおじさんはもうずっと、大きな声でピッチに向けて
選手への指示とか、言っちゃいけない言葉での罵りとかで
周囲の笑いを誘っていた人なんですが、その人は
「雨が降っても、おれはここにいるぞーーー!」と叫んでました。
私たちも、どうする? と言いつつ、ぱらぱら程度だし、とそのまま。
でもねえ、芝を剥がしたところが、恐ろしく危なくなっちゃいました。
何にもしなくても、走るだけで滑るんですよ。
野球がわりと簡単に雨で中止になる理由がちょっとわかったかも。
これはチバス選手たち、たまらんぜよ。
こんなところで怪我をして、来シーズン第1節からお休みとかイヤですよね。
しかも少しすると、今度はけっこう本降りに。
ダンナが、避難しようと言うので、まあ仕方ないか。
シャツ一枚ですからね、濡れたところへ風が吹いたりしたらたまりません。
というわけで、こんなところから観戦。

と、とおい……。

ザンザン降りというほどでもないけど、さんさんと降ってます。
で、そのまま前半は終了しました。
ところで、観客席の最前列はボックス席?になっていて、
たぶん値段は一緒で早い者勝ちだろうとのことでしたが、
雨が降っても、そこを陣取った人たちは避難しないで頑張ってました。
屋根つきのところから見てると、傘やビニールを持ってる人もいましたが、
持ってない人はもらったポスターを傘代わりにしたり(こらこら)、
かと思うと、プラスチックの椅子をひっくり返して頭に載せて傘代わりに。

林立する椅子の脚。
ところで前半は場内放送が、試合を盛り上げてたんです。
試合内容を中継というほどでもないけど、適当にコメントを入れ、
チバス応援の人は〜〜? などと呼びかけて観客に答えさせる。
ところが、後半始まって数分経って、なんか違うな、と思ったら、
その場内放送が沈黙しちゃってるんですよ。
どうしたのかな、マイク壊れたとか、
前半でデルフィネスがたまたまゴール決めたと不穏な発言してたから怒られたとか
などといろいろ想像してたんですが。
まあでも、場内放送が盛り上げてくれなきゃ、
勝手に自分たちで盛り上がるのがメキシコ人。
4,5歳の男の子らしい声が、場内の空気も何のその、
デルフィーネス・アリバッ! バーモス・デルフィーネスッ!と、
たぶん毎週(か隔週)デルフィネスの応援でそうやって叫んでるんでしょうね。
元気に叫び続ける。大人たちも笑ってそれに唱和する人もいれば、
5歳の子供に対抗して、チーバス、チーバス!と叫ぶ人もいる。
その辺の掛け合いが、すごく呼吸が合っていて面白かったですね。
ドイツでよく安いオペラとかコンサートに行きましたが、
そこでも見ている側の空気って不思議と統一されるもんだなあと思ってました。
それと同じ雰囲気があったんですよね、二つのチーム応援で対抗していても。
やっぱりスタジアム観戦は面白いです。
ところで、チバスGKミチェルがめっちゃ遠くなったんだけど、
あれもしかして別人なんでは? ユニの色が違うし。
でもハーフタイムに着替えたかもしれないしなあ?
などと思ってたんですが、あとで出た記事を見たらやっぱり総入れ替えか。
もしかしてそれを悟られまいと、場内放送控えてたとか? それはないかな。
まあチバスにしたらこんなピッチに大事な選手を出せない、
45分もプレイしたら充分だろ、という感じでしょうか。
デルフィネスのほうも後半と同時にかなり入れ替わってたらしいですが、
途中でGKがゴールキックの際に交代してました。
代わったGKもけっこうよく頑張ってて、チバスのシュート何度か止めてたし。
もしかしてデルフィネス、知らないうちにホントに三部に昇格してた?
とダンナとちょっと疑いあったくらい。
が、まあとにかく後半はとうとうどっちもゴールなし。
普段、早ければ8時半とか9時に寝てしまううちのダンナは、
もう眠い……と半分寝てやがりました。
終わったのは10時半くらいでしたもんね。
最後にやっとまた場内放送で、このあとチバス選手たちは
フィエスタ・イン・ホテルで写真撮影などのサービスを行いますということでした。
でもそれはさすがにパスして帰りました。
遠くに置いた車まで歩いて濡れて、風がひゅ〜〜〜。
がくがく震えながら車の空調を最高温度に入れて、いやはや。
◆
翌日(今日ですが)、ダンナが出かけついでに新聞買ってきてくれました。

縮小しすぎで見えないかもですが、トップには、
チバスのゴールを決めたのはブラボのみ、つまり二点ともブラボとなってます。
え、と思って本文を見るとちゃんとガリンドとメディーナって書いてある。
どんだけええ加減な新聞やねん、と思っちゃいますが、
その新聞によると、チバスチームは昼の1時前にカルメン到着の予定が、
チバス飛行機(ヴェルガラ会長のご用達機)がトラブルで、
実際にカルメンに到着したのはなんと7時40分だったそうです。
それであんなに試合開始が遅れたのか?
おかげで、チバス学校の子供たちとの交流会はお流れ。かわいそうに。
それでもカルメン空港で7時間も待ち続けたファンも大勢いたとか。
すごいな、私はとうていファンとは言えませんな。
それでも5時間近くコンクリに座ってたんだから、物好きの部類には入るかも。
Medioさんにも記事が出てました

チバス公式サイトにももちろん記事

後者によると、チバス後半の顔ぶれ、コピペしておきます。
GK、Hugo Hernández
DF、José Luis Verduzco, Christian Morán, Juan Ocampo y Édgar Solís
MF、Patricio Araujo, Xavier Báez, Eduardo Rivera y Antonio Gallardo
FW、Julio Nava y Saúl Sandoval
アラウホだけ、フルタイムだったのかな。途中交代はなしでした。
全員、Uー20だったみたい。
審判はカルメン新聞によると、
主審:Arnulfo Gómez Marín
第一線審:David Javier Tabasco
第二線審:Ovidio Chanona Ceferino
第四審判:Aliana Castro Olvera
そうそう、女性がひとり入ってたんですよね。
試合前に四人が歩いているのを見て、線審だと思ってたんですが、
第四審判だったのかぁ。どこにいたのかわかんなかったけど。
場合によっては主審やることもあるのかなあ、この人。
デルフィネスが思ったよりいいプレイしてたので、
ダンナが「じゃあこれから土曜はデルフィネスの試合か?」なーんちゃって。
言うだけで実行に移す可能性は1%くらいだと思いますが、
まあ毎週じゃなくてもときどき見に行ってもいいな、と思いました。
いやはや、長いものをお読みいただき、ありがとうございました。
さっそくいらっしゃいませ〜。
芝はですね、あのようなぼこぼこに浮いた状態だと危ないんですよ。
足を取られて倒れて怪我をしかねないので。
だから芝は本当は付け焼刃で敷くだけではダメで、
しっかり根付いてないといけないんですが、ここは本来野球場で、
しかもこの日の昼には野球の試合やってたんです。
だから、それが終わってから急遽芝を敷いて、見た目だけは整えたんでしょう。
でもたぶんチバス側が検分して、これではダメですってことになり、
いっそ剥がしたほうがまだしも危なくない、ということだったのではないかと。
それにしても、そんなことくらいわかっていそうなものなのに、
建前だけ整えてうまくだませればよし、ってとこがメキシコですよねえ。
チバスの大事な選手に怪我させたらどーするつもりなんだ。
もちろん自分たちのとこの選手だって別の意味でもっと大事でしょうに……。